現代造佛所私記No.93「歩き続ける」
インターン生Mariekeを見送って2日。経った2日前なのに、もう数ヶ月経ったような感覚だ。でも、にぎやかだった五月の空気は、部屋の隅に名残をとどめていて、この一週間を振り返る今宵は、やけに家の中が静かに感じる。 毎日、...

インターン生Mariekeを見送って2日。経った2日前なのに、もう数ヶ月経ったような感覚だ。でも、にぎやかだった五月の空気は、部屋の隅に名残をとどめていて、この一週間を振り返る今宵は、やけに家の中が静かに感じる。 毎日、...
2025年5月31日、ドイツ人インターン生・Mariekeが高知を旅立った。 およそ3週間という時間は、長いようであまりにも短かったけれど、その一日一日が、驚くほど豊かで、まるで季節ごとの七十二候のように異なる光を持って...
ついに高知最終日となった。明朝、彼女は出発する。互いに別れについては触れないが、どこかで感じ合っているものがある。無言のうちに「最後までこのインターンを良きものにしようね」という約束を交わしているような、そんな空気が漂っ...
ドイツから来たインターン生・Marieke。工房での作業は、ついに最終日を迎えた。 Mariekeの彫る虚空蔵菩薩の仏頭が、確かな輪郭を現してきた。仕上げはドイツに戻ってからだが、その姿からはすでに作品への深い愛着が伝わ...
まきでら長谷寺への表参道は、苔むした石垣とむき出しの木の根に縁どられ、長年の風雨と足音を受けて、いまも息づいている。 あと数えるまでもない滞在期間を惜しみながら、日々を過ごす私たち。ハイキングが大好きなMariekeは、...
朝から吉田仏師と二人で、平安時代の仏像の修理前の影をしていた。背景紙をひき、三脚を立て、光を調整し、カメラの設定を最適化しながら、像の細部を一枚ずつ丁寧に記録する。高価な機材はないが、三脚と一眼レフ、照明と背景紙を揃え、...
連夜の夜なべがたたったか、朝から身体が鉛のように重かった。休み休みでないと動けず、うっかりお皿を一枚割った。頭も鈍く、昨日書いたコラムは、半ば夢のなかで綴ったものだった。いざ読み返すと、誤字脱字に赤面する。 そんな一日も...
日曜市の通りを歩く。嵐が過ぎた後の陽射しは強く、赤いテントを通してオレンジ色が差し込んでいた。 ドイツ人インターン生・Mariekeたっての希望で、今日は高知市の日曜市へ。目当ては、包丁。大切なボーイフレンドへの贈り物な...