思い起こせば、幼いころからものを作ることが好きな子供で、
学校では、図工の時間が唯一の楽しみでした。
14歳のとき、あるご縁で仏像に出会い、木でかたちを作る世界があることを知りました。
以来、ただ四角い木材をノミや彫刻刀でけずってゆくことに夢中になってゆきます。
中学を卒業したら仏師の修行にでる…
それはもう、自分の中では必然でした。 ここから、私の木彫生活はスタートしたのです。
私にとって木をけずることは、もはや特別なことではありません。
歩いたり、息をしたりすることと同じように、ノコギリで木を切り、ノミを叩き、彫刻刀でけずる。
今の自分にとって、それはごく自然な生活の一部であり、私個人を形成する重要な事柄なのです。
15歳から木彫の世界に入り、二人の師に木彫刻を習い、二か所の文化財修復所で古典彫刻の技法を学びました。 これらの技術と知見をもとに、平安、鎌倉様式をとりいれた造仏を行っております。
仏師の末席を汚すものではありますが、これから千年先まで守り、伝えられるようなお像を残せるよう、努力したいと思っております。
よしだ造佛所所長
仏師 吉田安成