広島への原爆投下から80年を迎えたこの夏。
私は子どもの宿題の丸つけをしていた。
毎週月曜日にしている1週間の振り返りを、この2週間すっかり忘れていたことに気づいたが、8月6日と9日は、子どもの頃から決して忘れたことがない。
今年も、いまだに信じられない当時の光景や、経験者や語り部継承者のお言葉を思い浮かべながら、私は赤ペンを握っていた。
この2週間振り返ってみると、毎日こんなにいろんなことがあり、いろんなことを考えているのだなと、その言葉の量に我ながら圧倒される。
仏像の話を分かち合った授業、職人たちとの邂逅、メダカの赤ちゃんが生まれるなんでもない日常、家族の団欒……。コラムを読み返してみれば、そこにあるのは、平和な日々そのものだった。
こうして毎日毎日、ささやかな日常を書き記しておくこと。それは、インターネットという広大な大河に、小さな欠片をそっと注ぎ続ける、地道な作業だ。どんな意味があるのかと、自問する日もある。
だけど、地球の東の端の小さな島国に、こんなありふれた暮らしがあったことをはっきりと文字にすることは、それがない世界よりもきっと、誰かの心に平和な光景を描くことになると信じている。
このなんでもない日常を守るために、今、私にできること。
7/22 No.143「教壇から」
7/23 No.144「オーバースペック」
7/24 No.145「手仕事とAI」
7/25 No.146「祝・メダカの赤ちゃん」
7/26 No.147「縫い上げを解く」
7/27 No.148「三日月とコントロールZ」
7/28 No.149「麒麟の瞳」
7/29 No.150「夢は夜開く」
7/30 No.151「歩くこと」
7/31 No.152「焔をまとう」
8/1 No.153「幼虫奏者」
8/2 No.154「和三盆の砂」
8/3 No.155「半分、秋」
8/4 No.156「雨宿り」
8/5 No.157「挂甲武人と小さな職人」
※コラムのアイキャッチ画像は、AIで生成したものです。


