カテゴリー: 家族の肖像
現代造佛所私記 No.258「名画の中を歩く」
朝、娘と並んでバス停までの道を歩いた。 ここ数日で、山の色づきが一気に進んだように思う。娘は、手編みの赤いマフラーを巻いて、私のポケットに手を突っ込んで歩く。 4年前、彼女がまだ幼稚園生だった頃に、100円ショップで自分...
現代造佛所私記 No.254「チャパン、チャプ」
チャパン、チャプ、チャパン、チャプ ゆっくり湯船に浸かり、首元に湯をかけていた。その湯面が立てる音のリズムが、少し意識の深いところに響き始めた。 不意に、幼い日の記憶が立ち上った。 六つくらいの頃、私はよく、今は亡き祖母...
現代造佛所私記 No.244「一人のためのHappy Halloween」
すっかり日本にも根づいたハロウィンだが、我が家では特別な飾りつけをするでもない。ただ、娘は保育園のころから季節の行事として楽しんできたので、なんとなく仮装をしたい気持ちだけが残ったようだ。それで、いまは「お隣さんに見せる...
現代造佛所私記 No.243「榊との関係」
「これ、裏に植えたお榊だよ」 神棚に一日の終わりの挨拶をして、お供えを下げる手を動かしていたときだった。夫が荒神様のお榊を見ながら、ぽつりと言った。 以前はスーパーやホームセンターでお榊を買っていた。透明な袋に入って、値...
現代造佛所私記 No.242「皓月へ」
もう覚えていないかもしれませんね。初めて会ったのは、ちょうど五年前。十三夜の月夜でした。 運転席の前を白いふわふわしたものが横切りました。慌ててブレーキを踏んだとき、胸がドッドッと早鐘を打ちました。空の遠くで月が照らす山...










