現代造佛所私記 No.234「数歩先」
実は、我々の仏像工房に、なぜかパソコンの相談が絶えない。PR事業を始めてから、PR支援の延長上で、いつのまにか家庭教師のようなことまで引き受けるようになっていた。 Excelのセルがずれてどうしようもない、Canvaでお...

実は、我々の仏像工房に、なぜかパソコンの相談が絶えない。PR事業を始めてから、PR支援の延長上で、いつのまにか家庭教師のようなことまで引き受けるようになっていた。 Excelのセルがずれてどうしようもない、Canvaでお...
大きく開いた窓から、夕方のやわらかな光がさし、教室の影と溶け合っている。児童の姿のない放課後、私たち夫婦は娘の教室にいた。 黒板には、明日の予定が丁寧に板書され、色とりどりのグループ分け表や子どもたちの愛らしい絵が並ぶ。...
朝から夕方まで、お茶の師匠のお席のお手伝いに伺った日のこと。少し湿り気を帯びた風がやわらかく、よい朝だった。 「雨でなくてよかったですね」 そんな声があちこちで聞かれる、賑やかなお席。複数の流派がそれぞれにお席をもち、心...
同じ話を何度しても、それは同じ話にはならない。 生涯大学で受け持つ授業は、内容こそ変わらないけれど、毎回、呼吸が違う。1パラグラフの話も、ある日は詳しく語り、ある日は簡潔に。 教室に掛けておられる一人ひとりの醸す気配を感...
今日で四度目となる、生涯大学での講義。 それぞれ別のクラスゆえ、この話を聞くのは初めての方ばかりである。一クラスおよそ百名。単純に数えれば、これまでに四百人ほどの方々に、私たちの工房の造仏や修理についてお話ししたことにな...
今日は「彰子」と書いた。小学校の連絡帳に記す、私のサインである。 「吉田」とは書かない。今年の二学期から、娘との小さな約束があるからだ。 それは、連絡帳のサインがわりに、歴史上の人物の似顔絵を描くこと。いや、人物ではない...
今朝は月詣りの日だった。吉田仏師と連れ立って、参道を歩く。 石段を三分の一ほど上がると鳥居がある。一礼してふと目の端に蠢くものを捉えた。鳥居の向こう、石段の左際に、黒と黄の影が群れて揺れている。スズメバチだ。地面を這うよ...
新米の季節になった。父が田んぼを手放してから最初の秋を迎えた。寂しく思っていたが、思いがけずあちこちからお米をお届けいただいた。袋を開けると、新米の独特の芳しさが鼻をくすぐる。 今朝、とんでもない失敗をした。炊飯器の電源...
本日、お茶の稽古で「花月」をした。 七事式という、集団で行う茶の湯の稽古法のうちの一つである。遊戯性があって好きなのだが、稽古する機会が少なく、ルールがまだ掴めていないというのが正直なところだ。 「折据」という、五枚の札...
先日、温浴施設で倒れた人の対応をした。そのお礼にと、入浴券をいただいた。家族で早速、再訪する。 低温の塩サウナと高温遠赤外線サウナ。二つの熱を楽しんだ。翌朝、目覚めた時は心地よかった。体がポカポカと温かい。ところが午後に...