現代造佛所私記 No.239「自由研究その後、のその後」
先日、高知県内の各支部から選ばれた小中学生が集まり、高知市内の県立図書館で自由研究発表会が開かれた。 娘も県東部代表として、参加することになった。決まってから当日までは時間がなく、大慌てで原稿とスライドをつくり、放課後の...

先日、高知県内の各支部から選ばれた小中学生が集まり、高知市内の県立図書館で自由研究発表会が開かれた。 娘も県東部代表として、参加することになった。決まってから当日までは時間がなく、大慌てで原稿とスライドをつくり、放課後の...
大きく開いた窓から、夕方のやわらかな光がさし、教室の影と溶け合っている。児童の姿のない放課後、私たち夫婦は娘の教室にいた。 黒板には、明日の予定が丁寧に板書され、色とりどりのグループ分け表や子どもたちの愛らしい絵が並ぶ。...
今日は「彰子」と書いた。小学校の連絡帳に記す、私のサインである。 「吉田」とは書かない。今年の二学期から、娘との小さな約束があるからだ。 それは、連絡帳のサインがわりに、歴史上の人物の似顔絵を描くこと。いや、人物ではない...
玄関先のプランターには、バジル、ミント、パセリ、タイム、ローズマリー、ラベンダ──。 小さな庭のように、いくつものハーブが根を張っている。 始まりは、実家からもらった一本のローズマリーの枝であった。短い枝先から根が出て、...
昨年の夏、実家で採れた小夏を家族で食べた。娘が種を「ぺっ」と吐き出す。その粒を空いた鉢に埋めてみたら、やがて芽が出た。苗木は五つ。今ではどれも一尺ほどになっている。 芽が伸び始めたころ、夫と「どうしようか」と話した。地に...
「枝豆は娘の大好物だ。きっとそのことも覚えていてくれたのだろう。遠い異国の台所に、我が家の記憶がよみがえっていることが、なんと愛おしいことか。」 胸がジーンと温まるのを感じながら、私は慌てて返信を打った。 「Dear M...
玄関のチャイムが鳴った。 秋風の立ち始めたある朝のこと。扉を開けば、大家さんがそこに立っていらした。手には白いレジ袋。持ち手が中身の重みで、ぴんと張り詰めている。 「これ、栗です。どうぞ」 袋を覗けば、鬼皮に包まれた艶や...