現代造佛所私記No.99「お食い初め前夜」
今日で99日目。この連載のことだ。 「1000日書き続けよう」と決めて始めてみたものの、正直、三日坊主でもおかしくなかった。 続いたことの理由は、一緒に始めた友たちの存在と、協力してくれる家族、読んでくださる皆様のおかげ...

今日で99日目。この連載のことだ。 「1000日書き続けよう」と決めて始めてみたものの、正直、三日坊主でもおかしくなかった。 続いたことの理由は、一緒に始めた友たちの存在と、協力してくれる家族、読んでくださる皆様のおかげ...
文化財の学会に向けて、事例発表のポスターをつくっている。 先月、要旨集の原稿を書いたときにも思ったことだが、「よし、まとまった」と一息ついて見返すと、必ず何かが抜けている。肝心なひとことが洩れていたり、もうひとつ先まで言...
本格的な梅雨入り前の晴れ間。我が家の周りでは今、夥しい数の蝶々が舞っている。 生の喜びに溢れ、玄関先でひらひらと千々に舞う蝶たちは、我が家の勝手口の軒下に吊るされた半鐘の周りにも広がる。 「時を知らせる鐘」に止まった「変...
夕食のあと、ふと立ち止まった。食器に手をのばしかけて、「蛍はまだ飛んでいるだろうか」と思ったのだ。 ここのところ、夜は慌ただしかった。県外への出張、連夜のZoomミーティング。昨日は娘が急に高熱を出して、心の置き場もない...
「じゃらっ、じゃらっ、じゃらっ、じゃらっ」 6月に入ってから、毎日そんな音が土間に響いている。瓶の中で、氷砂糖と梅の実が揺れあう音だ。 この音が聞こえると、梅雨だなと思う。季節がめぐり、梅しごとの季節がやってきた。暑くな...
まだ夜が明けきらぬうちに目を覚まし、台所の灯りの下で朝食を整える。 白湯を一口流し込んでは、片手でスマホの通知を確認する。メール、チャット、幾つかの確認事項。まだぐっすり眠っている娘の頬をそっと撫で、小さくささやくように...
インターン生Mariekeを見送って2日。経った2日前なのに、もう数ヶ月経ったような感覚だ。でも、にぎやかだった五月の空気は、部屋の隅に名残をとどめていて、この一週間を振り返る今宵は、やけに家の中が静かに感じる。 毎日、...
令和七年六月一日、日曜日。よしだ造佛所は、九年目の節目を迎えた。 八年目の最終日は、ドイツからのインターン生Mariekeの見送り、夜にはPRクライアントとのZoomミーティングで幕を閉じた。ちょうど一年前には、想像もし...
2025年5月31日、ドイツ人インターン生・Mariekeが高知を旅立った。 およそ3週間という時間は、長いようであまりにも短かったけれど、その一日一日が、驚くほど豊かで、まるで季節ごとの七十二候のように異なる光を持って...
ついに高知最終日となった。明朝、彼女は出発する。互いに別れについては触れないが、どこかで感じ合っているものがある。無言のうちに「最後までこのインターンを良きものにしようね」という約束を交わしているような、そんな空気が漂っ...