戦後80年に向け麒麟像製作スタート@薫的神社

台風6号が過ぎ、4年ぶりのよさこい祭りに賑わう高知県より、女将がお伝えします。

本日、薫的神社(高知市)で平和を祈る式典が開催されました。

神社に向かう途中、華やかなよさこいの衣装を着た若者を何人も見かけました。さまざま苦しい情勢はあれど、若者が祭りを全身で楽しめる夏なのだと、改めて感慨深く思います。

式典で挨拶をする薫的神社の宮司、中地英彰さま

この度、同神社拝殿に「阿吽の麒麟像」(木造・315cm×45cmのレリーフ)を奉納させていただくことになりました。

麒麟は「戦のない世に現れる」という伝説を持つ霊獣です。

今年2月に中地宮司からご相談いただき、造像について打ち合わせてまいりました。

その過程で、完成予定の2年後は戦後80年という節目であることから、「神社と工房だけでなく、もっと多くの方に関わっていただいて、戦争と平和について語り続けるための造像にしよう」とこの度の式典が企画されました。

そして無事、清祓および施工期間の安全祈願と、世界の平和への願いを込めたノミ入れをすることができました。

参列いただいたのは、高知県の戦没者遺族16名です。特に戦没者遺族のひ孫の代に当たる子どもたちがノミをもつ様子は、なんとも明るい希望を感じる光景でした。

戦争体験者・戦没者遺族の子供は高齢化しており、1965年までは国民の半数以上を占めた戦争体験世代が、2020年時点で9.2%、2025年には0.1%になる見込みです(教育社会学者 舞田俊彦「戦争体験者はあと数年でいなくなる」Newsweek日本版 より)。また、2022年に始まったロシアのウクライナへの軍事侵攻は依然として終結への道筋は見えていません。

このことは決して、私たちの生活と無関係ではありません。

でも、子どもたちにどのように平和の尊さを伝えていけば良いのでしょう。どのように平和への具体的一歩を踏み出せば良いのでしょう。

私自身も戦没者遺族ですが、先の大戦について自分の言葉として語れることはわずかです。戦争の悲惨さを語る場が急激に減ったこと、あと数年で戦争体験者が日本からほとんどいなくなる事実に、強い危機感を覚えておりました。

ぜひこのよき機会に、麒麟像製作を通じて平和を実現するための行動を積み重ねていきたいと願います。

中地宮司はじめとする薫的神社の皆さま、高知県遺族会役員とそのご家族さま、これより吉田仏師が皆様を代表して謹刻いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。

暑い中、読売新聞、毎日新聞、香南ケーブルTV、高知新聞、中外日報他の記者さまが取材してくださいました。よさこい取材の合間を縫って来てくださった方もいらっしゃいました。感謝申し上げます。

プレスリリースの際には、OJT式PR塾にてたくさんのご助言をいただきました。誠にありがとうございました。

なお、この御衣木(みそぎ)は、高知県産のケヤキです。
高知県の木材の良さをよくご存知の溝渕木材工業株式会社(南国市)さまが、製作決定後にすぐ見繕ってくださいました。見事な大木から阿吽の麒麟像が生まれます。ありがとうございました。

8/11(金)高知新聞プラスに掲載されました。

8/12(土)毎日新聞(高知版)に掲載されました。

★ 8/12(土)読売新聞(高知版)に掲載されました。