四国は愛媛県東温市の萬松山大安寺さま(臨済宗妙心寺派)の本堂落慶、心よりお祝い申し上げます!
大安寺さまと当工房のご縁は、1年前に遡ります。仏像彫刻がご専門の学芸員さまを通じて、ご本尊修理のご相談をいただいのでした。
お像を拝見するため境内にお伺いした際、工事中のお堂に入らせていただきました。
堂内は残暑の風が通り過ぎていく以外時間が止まったようで、歴史の節目にいるのだなと感動したものです。立派な梁の迫力、底光りのする檜の柱には、新たな始まりの予感が満ちておりました。
お預かりしたお像の来歴はほとんど伝わっておらず、協議の結果、2022年11月上旬に当工房で科学調査を行うことになりました。
窪田住職にも香南市の当工房にご来所いただき、東北大の大山幹成先生、高知大の松島朝秀先生、吉田仏師と共に、慎重に試料を採取しました。当時の記事はこちら
大安寺のご本尊は、截金が施された美しい一木造りのお釈迦様です。
調査結果につきましてはまた別な機会にご報告したいと思いますが、室町時代に伐採されたカヤの木で製作されたものと分かりました。
その後の修理も順調で先月10月に無事お納めし、ご本尊様は明日の落慶式を本堂でお待ちになられています。
本日一足先に、若き宮大工・村上義浩棟梁はじめとする村上工務店の見事な施工を拝見してまいりました。本当に素晴らしかったです。
いよいよ明日11月23日、お披露目されます!稚児行列や餅まき、三田杏華さんのミニ・コンサートもあるそうです。お近くの方でご都合の合う方はぜひ、一緒にお祝いしませんか?
これまでの歴史を受け継いで、新本堂からまた始まる新たな歴史。お寺と檀家様、地域の皆様の末長いお幸せをお祈りいたします。
合掌
よしだ造佛所一同