カテゴリー: その他
現代造佛所私記No.162 「Cypress Sculpture JAPAN」
若き空海が、唐へ渡る前、室戸(むろと/高知県)の御堂で修行していた。そこへ、魔物たちがわらわらと集まり、修行の場をかき乱したという。 そんな場面が描かれているのが、弘法大師空海の一生を描いた「弘法大師行状絵巻」だ。 ——...
現代造佛所私記No.161 「檜扇一輪、1000日チャレンジ月例報告会」
正午を前に、草むらの片隅に、檜扇(ひおうぎ)が咲いていた。橙に斑の入った花弁が、まだ暑さの芯の残る夏の光を受けて輪郭を際立たせ、茎は迷いなく伸びている。控えめながら孤高の佇まいを感じるその姿は、茶室に活けると不思議と優雅...
現代造佛所私記No.159 「タブレットの呼吸 弐ノ型 模写」
娘がずっと行きたがっていた、市内の図書館で開催された「まんがBASE」のイベントに足を運んだ。 会場は、空調のきいた図書館の2階の一室。受付で「大人の方もどうぞ」とやさしく声をかけられ、子どもの付き添いのつもりだった私は...
現代造佛所私記No.156「雨宿り」
今年は、肌で感じる限り、乾いた日が続いていた。午前11時頃には日も差し、「今日も暑いね」などと夫と言葉を交わしていただのが——。 突然、みるみるうちに空が鉛色になり、サーッと涼やかに雨が降り出した。日照り続きだったからだ...
現代造佛所私記No.155「半分、秋」
季節の移ろいにふと気づくように、デジタルの世界の中でも、相手のちょっとした変化を感じとる瞬間がある。 たとえば、今日がそうだった。 暑さもセミの声も、まだ夏そのもの。だけど、ふと見上げてハッとした。家の前の小川の向こうに...
現代造佛所私記 No.154「和三盆の砂」
太平洋に注ぐ、雲間からの光が神々しい。私たちは、日暮れの海辺に立っていた。まとわりつく湿った潮風が、ぬるま湯のように肌にからみ、じわじわと体を火照らせる。 返却期限を迎えた百年前の本を図書館に返し、その帰り道、夫と娘とで...
現代造佛所私記 No.153「幼虫奏者」
昨夕、考えを整理するために、散歩に出かけた。……といっても、家の前の小川沿いの道を、ただテクテクと往復するだけだ。けれど、ずっとパソコンの前に座っているよりはましだと思い、表に出た。 夏の夕方というのは、午後と夜のあいだ...
現代造佛所私記 No.152「焔をまとう」
木槿(むくげ)の花が、小川のせせらぎに音もなく落ちる。 水の上をふわりふわりと漂う白い花弁に、夏の光が反射して清潔さを増している。 目を上げれば、渋柿の枝に、まだ青く硬い実がぽってりと膨らんでいる。ここ数年、ほとんど実を...
現代造佛所私記 No.151「歩くこと」
──あなたは今日、どのくらい椅子に座っていただろうか。 このところ、気づけば数時間、同じ姿勢のまま動いていなかった。そんな日が続いている。身体が最近、教えてくれるようになった。「そろそろまずいぞ」「こわばっているよ」と。...











