現代造佛所私記 No.56「隙間の音色の先に」
朝の斎庭に、眩しい陽光が差し込んでいる。楽器や譜面を手に境内に入ると、すぐに汗ばむほど日差しを受けた。 澄み渡った空に、悠々と伸びる杉を見上げながら、「晴れてよかったねぇ」と声を掛け合う神官と伶人たち。 今日は、若一王子...
朝の斎庭に、眩しい陽光が差し込んでいる。楽器や譜面を手に境内に入ると、すぐに汗ばむほど日差しを受けた。 澄み渡った空に、悠々と伸びる杉を見上げながら、「晴れてよかったねぇ」と声を掛け合う神官と伶人たち。 今日は、若一王子...
「今だ」 お鍋に湯を沸かしている時間。パソコンが重いファイルを開くまでの数秒。夫が食事に戻ってくるまでの数分。あるいは買い物に行く車中で。 そんな「待ち時間」が、いまの私の龍笛の稽古時間だ。 令和7年4月26日、高知のと...
11/5、香風舎雅楽乃会による夜須小学校(高知県)の雅楽鑑賞・体験会が開催され、当工房奏楽部門・雲中奏楽団も、演奏のお手伝いにまいりました。 香風舎さまは、埼玉県北本市を拠点に、雅楽演奏、神楽公演、その他さまざまなワーク...
4年の歳月をかけ当工房で修理させていただいた仁王像。11/4に長谷寺(ちょうこくじ)山門にて開眼法要が執り行われました。 130名の方がお集まりになり、荘厳で盛大な素晴らしいお式でした。 檀信徒の皆様はじめ、香南市の浜田...
龍笛を始めた時から、いつか故郷の神社で演奏できたら、と思っていた夢が叶いました。広報PR担当、吉田沙織です。 9/26、宮司就任奉告祭および三所台(参召代とも)の儀で、徳島の先輩伶人にご助力いただき、よしだ造佛所の奏楽部...
晩夏のある日、神社の幽玄な気配が一段と濃くなった日暮れに、篳篥(ひちりき)を奏でながらゆっくりと参道をゆく怜人が二人。 特別な夜の始まりです。 2023年の8月24日、龍笛演奏家の梅田恵さん(徳島県在住)の発願から数年。...
来月10月5日(木)10時〜11時半、「仏像を”感じる”会」をよしだ造佛所工房にて開催いたします! 鎌倉時代の仁王像(まきでら長谷寺所蔵)の修理現場で、古い部材や模型に五感で触れながら、仏像や仏教の教えを共に感じ対話する...
和邇部の用光といふ楽人ありけり。土佐の御船遊びに下りて、上りけるに、安芸国なにがしの泊にて、海賊押し寄せたりけり。十訓抄 第十 才芸を庶幾すべき事 楽人である和邇部用光(わにべの もちみつ)は、土佐の御船遊びに招かれ下っ...