カテゴリー: 雅楽
現代造佛所私記 No.205「150年のお祝い(後編)」
それまでの境内の空気が、また一変した。 舞楽「抜頭」が始まった。 舞人が首を振るのにあわせて、朱の面が鈍く光を照り返す。太鼓の響きと楽の音が、舞人の震える手、振り乱した髪と合わさって、胸に迫ってくる。足でドンと踏み鳴らさ...
現代造佛所私記 No.204「150年のお祝い(前編)」
九月の陽射しは、まだ容赦がない。けれど神社境内を渡る風に、ふと秋の匂いがした。昨日の激しい雨が嘘のような快晴である。空の青さが、今日という日を寿いでいる。 通夜殿前に、丸イスが並んでいく。緑のテントが張られ、舞台が整って...
現代造佛所私記 No.166「音の縁」
昼下がり、実家の和室でひとり龍笛の稽古をしていた。 床の間にはお盆の飾り。金蘭の敷物に、大日如来を中心とした十三仏の掛け軸、位牌や果物、お菓子が並んでいる。ほのかに漂うお線香の香りが、しっとりと空気を満たしていた。ここは...
現代造佛所私記 No.153「幼虫奏者」
昨夕、考えを整理するために、散歩に出かけた。……といっても、家の前の小川沿いの道を、ただテクテクと往復するだけだ。けれど、ずっとパソコンの前に座っているよりはましだと思い、表に出た。 夏の夕方というのは、午後と夜のあいだ...











