現代造佛所私記 No.409「蒸篭コーナー」

この冬から、蒸篭(せいろ)を使うようになった。

きっかけはふたつ重なった。

寒くなって生野菜が食べづらくなったこと、そしてご近所からキャベツを大量にいただいたこと。そんな時に、スーパーでたまたま見つけた直径24センチの蒸篭をひとつ買ってみたのだ。

驚いた。蒸した新キャベツの美味しいこと!一段まるごとキャベツに使うが、くたっとしてかさが減ると、いくらでも食べられる。蒸し野菜の世界に目覚めた。

刻んだ野菜を蒸篭に詰めていくのも、ちょっとした楽しみになっている。大根、にんじん、さつまいも、蓮根、カボチャ、新キャベツ、新玉ねぎ、パプリカ。食卓に載せる数分前に、トマトやブロッコリーも加える。蒸し上がって蓋を開ける瞬間が、毎回なんとも言えない喜びだ。

ミックスナッツとおじゃこ、ひじきの煮たのをトッピングして、ハーブソルト、オイルをひとまわし。オリーブオイル、胡麻油、MCTオイル、えごま油、亜麻仁油と気分で変える。

蒸篭はいつのまにか3つになっていた。毎食、蒸し野菜、蒸し豆腐、ときには蒸し魚や塩麹鶏ハムも加わる。野菜が苦手な娘も、これだと割と食べてくれる。忙しい日は冷凍ご飯を一緒に蒸すと一石二鳥だ。

食卓には、雑穀米、味噌汁、焼き魚などのメイン、きゅうりの浅漬けやキムチ、佃煮、フルーツのヨーグルトと甘酒かけたものも並ぶ。蒸し野菜はその中心に、毎食ちゃんと居場所を得た。

手入れも容易だ。

ただひとつ困ったのは、仕舞う場所がなかったこと。仕舞い込むと傷んでしまう。

しかし、「かけるところが欲しいなぁ」とぽつりと呟いた翌日、私が出かけている間に、吉田が壁にフックをつけて蒸篭コーナーを作ってくれていた。あぁ、我が背よ。

料理がまた楽しくなった。温かくなってきたけれど、蒸篭から湯気が湧き上がる風景は、まだまだ続きそうだ。次はプリンや蒸しパンも作ってみたい。