現代造佛所私記 No.54「隙間の音色」
「今だ」 お鍋に湯を沸かしている時間。パソコンが重いファイルを開くまでの数秒。夫が食事に戻ってくるまでの数分。あるいは買い物に行く車中で。 そんな「待ち時間」が、いまの私の龍笛の稽古時間だ。 令和7年4月26日、高知のと...

「今だ」 お鍋に湯を沸かしている時間。パソコンが重いファイルを開くまでの数秒。夫が食事に戻ってくるまでの数分。あるいは買い物に行く車中で。 そんな「待ち時間」が、いまの私の龍笛の稽古時間だ。 令和7年4月26日、高知のと...
「あぁ、どうしよう」 茶道の稽古を終えた帰り道、くねった山道を上りながら、私は何度もつぶやいていた。 行きはよいよい。 山桜に花桃、春の匂いに誘われるように、抹茶と和菓子、師匠との会話を楽しみに車を走らせていた。けれど帰...