現代造佛所私記 No.322「冬土用の間日」
お正月の気配も、いつの間にか遠のいていた。玄関前に、花がほしいなと思った。 ハーブが枯れて寂しくなったプランターに、元気の出るような色の花を植えよう。そんな思いつきに、心が少し躍る。 「あ」 カレンダーをなぞる指が、はた...

お正月の気配も、いつの間にか遠のいていた。玄関前に、花がほしいなと思った。 ハーブが枯れて寂しくなったプランターに、元気の出るような色の花を植えよう。そんな思いつきに、心が少し躍る。 「あ」 カレンダーをなぞる指が、はた...
「あり得ないような大抜擢があったんです。メイン講師のご依頼をいただいて」 数ヶ月前、お客様から、そんなご報告をいただいた。一年半ほど、PRで伴走してきた方だった。私は思わず、拍手をしていた。 もちろん、その方の実力やご実...
月に二度、氏神様へ月詣に行く。龍笛を携えて。 祝詞の後、音色を供えるのがいつからか習わしになった。 この山の家に引っ越して、もうすぐ丸五年になる。月に二度のお参りを重ねれば、荒天で遥拝した日を除いても百回以上になる。四季...
今日は、台所で小豆をコトコトと煮ながら書いている。鍋の中から、規則正しい音が上がる。 仏像工房での毎日を綴る千日は、三分の一を過ぎようとしている。現在、一つのコラムをだいたい三十分ほどで書いている。 小豆が煮え始めた香り...
夫がお世話になった師匠から、仏像の絵葉書が届いた。 師匠が製作指導された十三仏と、華鬘(けまん)。新しい仏さまに備わる、木の清々しい香りが、葉書越しにも漂ってくるようだった。 お寂しい日々を送られているのではないかと、案...
小学生の娘からの提案で、人が去った隣の集落を目指し、自宅から歩いてみることにした。 途中から携帯の電波は入らなくなり、人の気配も消える。ときおり、山奥で作業しているらしいトラックが通り過ぎるくらいで、あとは沢の音と、たま...
今日は、昨年秋からフライヤーデザイン等で関わらせていただいた、音楽と舞のパフォーマンスグループ あはひ の公演本番の日である。 時計に目をやりながら、今頃お客さまが入られただろうか、始まったな、終演後はどんな空気だろうか...
昨年、夏休みの自由研究の件で、娘は地元のケーブルテレビの取材を受けていた。本日がその放送開始日で、録画していたその特集を、家族で観た。 娘はどこか照れくさそうで、テレビを見たり、ゲーム機に目を落としたり、落ち着かない様子...
今朝は、小学校のPTAの活動で、通学路の交通安全当番に出向いた。蛍光色の「横断歩道中」の旗を持って、児童の通学を見守る。 しかし、自宅から40分かけてそのためだけに下山するのは、なかなか思い切りがいる。いくつか用事も作っ...