現代造佛所私記No.159 「タブレットの呼吸 弐ノ型 模写」
娘がずっと行きたがっていた、市内の図書館で開催された「まんがBASE」のイベントに足を運んだ。 会場は、空調のきいた図書館の2階の一室。受付で「大人の方もどうぞ」とやさしく声をかけられ、子どもの付き添いのつもりだった私は...

娘がずっと行きたがっていた、市内の図書館で開催された「まんがBASE」のイベントに足を運んだ。 会場は、空調のきいた図書館の2階の一室。受付で「大人の方もどうぞ」とやさしく声をかけられ、子どもの付き添いのつもりだった私は...
広島への原爆投下から80年を迎えたこの夏。私は子どもの宿題の丸つけをしていた。 毎週月曜日にしている1週間の振り返りを、この2週間すっかり忘れていたことに気づいたが、8月6日と9日は、子どもの頃から決して忘れたことがない...
私のパソコンや書類は、今日だけは机の隅へと追いやられた。半畳ほどぽっかり空いた机上のスペースを、小学校3年生の娘が堂々と陣取っている。 「挂甲武人(けいこうぶじん)を作る」 意気揚々と娘はサラサラと新聞紙を敷き、その上に...
今年は、肌で感じる限り、乾いた日が続いていた。午前11時頃には日も差し、「今日も暑いね」などと夫と言葉を交わしていただのが——。 突然、みるみるうちに空が鉛色になり、サーッと涼やかに雨が降り出した。日照り続きだったからだ...
季節の移ろいにふと気づくように、デジタルの世界の中でも、相手のちょっとした変化を感じとる瞬間がある。 たとえば、今日がそうだった。 暑さもセミの声も、まだ夏そのもの。だけど、ふと見上げてハッとした。家の前の小川の向こうに...
太平洋に注ぐ、雲間からの光が神々しい。私たちは、日暮れの海辺に立っていた。まとわりつく湿った潮風が、ぬるま湯のように肌にからみ、じわじわと体を火照らせる。 返却期限を迎えた百年前の本を図書館に返し、その帰り道、夫と娘とで...
昨夕、考えを整理するために、散歩に出かけた。……といっても、家の前の小川沿いの道を、ただテクテクと往復するだけだ。けれど、ずっとパソコンの前に座っているよりはましだと思い、表に出た。 夏の夕方というのは、午後と夜のあいだ...
木槿(むくげ)の花が、小川のせせらぎに音もなく落ちる。 水の上をふわりふわりと漂う白い花弁に、夏の光が反射して清潔さを増している。 目を上げれば、渋柿の枝に、まだ青く硬い実がぽってりと膨らんでいる。ここ数年、ほとんど実を...
──あなたは今日、どのくらい椅子に座っていただろうか。 このところ、気づけば数時間、同じ姿勢のまま動いていなかった。そんな日が続いている。身体が最近、教えてくれるようになった。「そろそろまずいぞ」「こわばっているよ」と。...
コラム執筆は深夜になるので、やや感傷的になりがちだが、今日は150日目ということで小さくてまだ何の形もない、夢を語ってみたい。 高知の山の中に暮らして、五年が過ぎた。どこへ行くにも、まずは山の一本道を三十分ほどかけて下る...