現代造佛所私記 No.400「千分の四百」

「あぁ!今日で400日か」

本日の草稿を書いていて、はたと「400日目」だと気づく。
1000日毎日、520字以上書き続けるという挑戦が、いつしか習慣になった。

最初の100日までが、一番エネルギーを費やしていただろうか。夜中に、書くことが像を結ぶまで白い画面を見ながら待ったこともある。それも、一度や二度ではなかった。書くことが、とても特別なことだった。

今は、書きたいなと思うこと、あるいは書いて欲しがっていることが、列を成している感覚だ。

160日目くらいまでは、毎日SNSでも共有して、そのエンゲージメントを独自にまとめて追っていた。どのカテゴリの、どのコラムが、気に入ってもらえるんだろうと。コメントもたくさんいただいた。読者さんからテーマを募る、「ことばの種」という企画も行った。

参加型企画は、またしてみたいなと思っているが、163日目を最後に、エンゲージメントを見るのをパタリとやめた。

リアクションが良いものには傾向があるけれど、私が書きたいと思うこと、自然と湧き上がってきたものを、あまりフィルターにかけずに書き残しておきたいと考えるようになったのだ。

毎週月曜日は、先週のコラムの振り返りなどもしていたが、振り返るゆとりも無くなった。振り返る前に、書き始めてしまう。

そうして好きなように書き連ねてきて、400日目の節目にアクセス解析をのぞいてみた。

少し驚いた。一番読まれていたのは、PRについて書いた回だった。

誰にも読まれなくてもいい、と思いながら書いてきた。1000日チャレンジを共に走っている同志でさえ、「読んでない」というくらいだ。貴重な時間を、このコラムに割くほど、皆暇ではない。

だから、工房のコラムを読んでお問い合わせくださったり、メッセージをくださる人が現れたのは、本当に驚きだった。

PRだけではなく、工房のこと、仏像と人の物語、家族のこと、雅楽のこと、時々小説。雑多に書いてきた中で、少なからずどれかを掬い上げて、繋がってくださった人たちがいた。

「知られざる仏像製作の世界だけど、コラムを読んで工房の雰囲気や考え方がわかって助かった」

「短編小説、素晴らしいです」

何も言わず、リンクをシェアしてくださっている人もいた。

誰かに届いていた、その事実は、私を思わぬところへと押し出している。

400日書いても、自分がどこへ向かっているのかわからない。だけど書き続ける。あと600日のうちに広がる、次の景色を味わいながら。

現代造佛所私記で、最も読まれているコラム ▶︎「文化財とPR」 https://zoubutsu.com/shiki-no-106/ よろしければご覧ください。