現代造佛所私記 No.379「PRの世界へようこそ—初講座を振り返る」

「ジー」

電気香炉のスイッチを入れると、会場にほのかに白檀の香りが漂い始めた。 ビジネス文脈の講座だが、まるで茶席の準備のようだと思いながら設営する。きっと、精神は通じている。

はじめての広報PR講座@高知ぢばさんセンター。

個別サポートでPRのレクチャーはしてきたが、講座としては初展開となる今回。

知識も前提も異なる参加者に向け、情報を絞り研いでいくプロセスは私自身、とても良い経験になった。

準備中、100人以上のセミナーをオーガナイズしてきた10年が懐かしく思い出された。参考図書の展示や、ささやかな電気香炉による空間演出などは、その経験から。

PRの世界へようこそ、よくぞきてくださいました、という気持ちを込めたかった。

私のパートのテーマは、PRマインドのインストール。PRの概要、広告との違い、人間の意思決定の仕組み、事例紹介など、1時間ほどに詰め込んでお話しした。

事前に、PRを知らない夫相手にプレゼンして、ある程度の感触は掴んでいたが、はじめましての場では、どうなるか未知数。

でも、途中でみなさまが笑ってくださったり、うなづいたり、メモを取ったり、能動的にご受講くださっているのがよく伝わってきた。

休憩を挟み、まるちゃんがSNS運用のポイントを解説。 私が理論や事例を語ったのに対し、まるちゃんは実践的なTipsを具体的に伝えてくれた。 二人の異なる視点が、PRの全体像を立体的に描き出せたように思う。

そして、講座の核となるワークの時間。「あなたの会社・サービスを一言で言えば?」というシンプルな問いに、皆が真剣に向き合う。

ある参加者は後日、「事細かく説明しないと理解されない、という固定観念をはずすことが必要だった」と振り返ってくださった。

私自身、仏像や文化財のPRでずっと悩んできたのが、まさにこの点だった。 専門性が高いほど、丁寧に説明したくなる。でも、それで人の心を動かすことは難しい。

「ブリッジ」を見つける。 社会のニーズと、自分たちの価値を繋ぐ橋を。そんな話をさせていただいた。

講座後のアンケートには、こんな声が寄せられた。

「全然届かない、続かない、全部がぼやけてやる気にもならない状況でした。でも、小さな歯車(情報発信)を回していかなきゃと思いました」

「PRとはなにか、という整理整頓もしないままだったと改めて感じました」

「第二弾はありますか?」

この言葉たちが、私たちの次へ進む原動力になる。

参加者の皆さま、本当にありがとうございました。 講師のまるちゃん、ありがとう。

PRの世界へようこそ。 ここから、新しい対話が始まる。