現代造佛所私記 No.179「PR設計という羅針盤」

当工房のPR事業「承欣 SHOW-GON」は、水面下で静かに動いている。
SNS運用の支援、ホームページ立ち上げ、宣伝美術、プレスリリース添削、プレスリリース講座。広報活動の土台を整えるご依頼が続いている。

母体が仏像工房だからだろう。神社仏閣や伝統文化に携わる方々と、最初から共通の言葉や前提を共有できることが多い。そこが、一般の企業向けPR会社との大きな違いであり、やりとりを自然にスムーズにしてくれている。

お客様からいただく声はさまざまだが、よく耳にするのは「頭が整理されました」「外から見るとそう映るんですね」「視野が広がりました」という言葉だ。こちらが驚かされるほど、PRを通して新しい視点を見いだしてくださっている。

社会との接点は、探してみると意外なところに眠っている。
数ヶ月前から温めてきた企画も、PRの視点で改めて見直したり、主催者の背景やお志を掘り下げていくと——季節のめぐりや社会情勢と響き合い、思いがけない化学反応を起こすことがある。

そもそも企画自体は、最初から素晴らしいものがほとんどだ。そこにPRの視点が介入すると、ニュースバリューが引き出され、社会へと開かれた具体的な企画へと磨き上げられる。

私が担うのは、いわば「後方援護」や「戦略参謀」としての役割だ。お客様の志が、より確かな道筋と広がりをもって社会に届くよう、視野を確保し、背中を支える。

その根っことなるのが、PR設計だ。

この設計が、意思決定の指針となる。行き先がよく見えない航海の中で手に入れた、地図と羅針盤のようなものだ。

ありがたいことに、その航海に伴走させていただけている。

それは、仏像工房としての営みとも通じている。目立たない日々の積み重ね、行き先の見えぬ航海の先に、やがて人の祈りや日常に寄り添うかたちとなって現れてくる。

その静かな手応えを、PRの現場でも確かに感じている。