カテゴリー: お知らせ情報
現代造佛所私記 No.392「肉筆尊し」
肉筆というのはいいものだ。ペンのインクや筆圧で凹凸のある便箋の尊さ。 先日の雅楽演奏会のニュースをご覧になった方から、お便りが届いた。 「雅楽演奏の陣容が整って、このように発表できるのは貴重なことと思います」 そう、「発...
現代造佛所私記 No.391「番組審議委員会へ」
百畳もある大きな凧が、風をうけて空に昇る。 液晶の中の空に、大きな武将の顔が浮かんでいる。年々大きくなっていったという郷土の凧「土佐凧」は、最大百畳になったという。こんな挑戦をする人たちがいた。 それは文章読むよりずっと...
現代造佛所私記 No.390「忘れ物回収人—寿司(後編)」
——ガタンゴトン。 列車の走行音で我に返ると、紗枝は、出入り口の隣に立っていた。ぼやけた視界の真ん中で、吊り革の揺れが、ぴたりと止まって見える。バッグを両手で抱えたまま、いつの間にか眠っていたようだ。 周りには、疲れた顔...
現代造佛所私記 No.389「忘れ物回収人—寿司 (前編)」
「お降りの際は、傘などのお忘れ物にご注意ください」 地下に潜った列車の窓に、春の雨が雫になって散る。ガタンゴトンと一様に人を揺らし、最終列車が滑り抜けていく。 慰労のにじむアナウンスが、紗枝の疲れ切った体に沁みた。ふと見...
現代造佛所私記 No.388「作務衣の横顔」
懐紙を一枚取り出し、ピチリと角を合わせ折りたたむ。 特別なおもてなしを受けて、吉田仏師も私も驚き、恐縮していた。あぁ、お懐紙を持ってきてよかった。数寄屋袋を足下に寄せながら、座り直す。 とはいえ席は終始和やかで、普段は嗜...
現代造佛所私記 No.386「ギギっと開く」
果物型のシェイカー、カスタネットにタンバリン、小さなおもちゃの太鼓。そして、笙、篳篥、龍笛、楽箏。 そんな不思議な取り合わせで奏でた、今日の演奏会。 「はじめての雅楽」——やさしい日本語で伝えることで、雅楽の豊かな味わい...
現代造佛所私記 No.385「これも、それも」
「好きなだけ取っていき。これも、それも」 花畑を、スイスイ歩くご婦人。明日の雅楽演奏会で挿頭(かざし)にするための花材を相談したところ、すぐに丹精されている庭を案内してくれた。あっという間に、私の手には花や葉がずっしりと...
現代造佛所私記 No.384「やさにち de 雅楽」
「あぁっ、これも赤い!どう言い換えれば……?」 明後日の、雅楽演奏会の司会原稿を見直しながら、何度もキーボードの上で考え込んだ。 今、「やさしいにほんご」で雅楽を解説するチャレンジをしている。日本人でも初めて聞くような言...









