現代造佛所私記 No.340「僭越ながら、”仕事の達人”として」

製作途中の仏像と、参考文献、道具箱。作務衣姿の二人で抱え、地元の公立中学校の校門をくぐる。 ほどなく、ガラス戸に貼られた案内が目に入った。 そこには「仕事の達人」とあり、招かれた講師の名前が縦に並んでいる。初めて訪れる学...

現代造佛所私記 No.312「運慶忌とうんケーキ」

娘の冬休みの作文に、運慶忌のことが書かれていた。 我が家でいう「運慶忌」とは、仏師・運慶の命日に、その遺徳を偲んで営む、ささやかなお茶会のことである。 「一月三日、うんケーキを作って食べました」 原稿用紙をのぞき込んだ私...

現代造佛所私記 No.269「埃と泥〜文化財版アベンジャーズ」

「まもなく着陸態勢にはいります」 機内アナウンスに、はっと意識が浮上した。気流の影響で揺れが続いたフライトだったようで、機内サービスも省略されたという謝罪の声が流れている。 「もう着いたのか」 ゆっくり高度を下げる機体に...