現代造佛所私記 No.341「仏像を作ろうと思わなかった人の、発願」

「できたのですね!」 デバイスの液晶に、まるで肉声がそのまま立ち上がってくるような文字が並んでいた。 二年お待ちいただいた造像が完成し、開眼法要の段取りを整えるためにご連絡を差し上げると、すぐに返ってきた言葉である。 こ...

現代造佛所私記 No.340「僭越ながら、”仕事の達人”として」

製作途中の仏像と、参考文献、道具箱。作務衣姿の二人で抱え、地元の公立中学校の校門をくぐる。 ほどなく、ガラス戸に貼られた案内が目に入った。 そこには「仕事の達人」とあり、招かれた講師の名前が縦に並んでいる。初めて訪れる学...

現代造佛所私記 No.320「キツツキと鞨鼓」

月に二度、氏神様へ月詣に行く。龍笛を携えて。 祝詞の後、音色を供えるのがいつからか習わしになった。 この山の家に引っ越して、もうすぐ丸五年になる。月に二度のお参りを重ねれば、荒天で遥拝した日を除いても百回以上になる。四季...

現代造佛所私記 No.318「仏像の絵葉書」

夫がお世話になった師匠から、仏像の絵葉書が届いた。 師匠が製作指導された十三仏と、華鬘(けまん)。新しい仏さまに備わる、木の清々しい香りが、葉書越しにも漂ってくるようだった。 お寂しい日々を送られているのではないかと、案...