現代造佛所私記 No.286「冬の芽吹き」
今朝は少し感慨深かった。しぶといはやり風邪を克服した娘の、十日ぶりの登校を見送ったのだ。 過ぎてみると、悪夢から覚めたような気さえする。あの高熱の日々、全身をこわばらせる発作的な咳嗽。ウイルスの粘り腰と、人の治癒力の凄ま...

今朝は少し感慨深かった。しぶといはやり風邪を克服した娘の、十日ぶりの登校を見送ったのだ。 過ぎてみると、悪夢から覚めたような気さえする。あの高熱の日々、全身をこわばらせる発作的な咳嗽。ウイルスの粘り腰と、人の治癒力の凄ま...
「Y ちゃんがウロウロし始めたなぁ」 仕事の合間にお茶を飲みに来た夫が、つぶやいた。8日間布団の中で暮らしていた娘が、今朝からパジャマのまま絵を描いたり、土間にやってきたり、ゲームをするようになった。 「えっ、まだ39℃...
「はいどうぞ」 熱の体にさりげなく 我が背のポカリは やさしさの味
「コン、コン」 ああ、これは嫌な咳だと思った。 昨夜、娘が軽く咳き込んだその瞬間、元看護師としての直感が働いた。母親としての心配よりも先に、職業的な判断が差し込む。これはまずい、と音もなくアラームが鳴っていた。 クラスに...
発表会場「オーテピア高知図書館」には、四国四県から小学校低学年から中学3年生までの子どもたちが集まっていた。それぞれの自由研究を携えて。 緊張はある。けれど空気はどこか温かく、子どもたちの表情には、自分の研究をやり遂げて...
ウニちゃん、あなたが我が家にやって来たのは、三年前の二月七日の明け方だったね。 母猫が臨月だとわかり、ケージを工夫して作った急ごしらえの分娩室を用意した、その二日後のことだった。 外はまだ真っ暗で、ミーミーという小さな声...
能登の仏像応急処置から戻り、知人宅で預かってもらっていた我が家の猫たちを迎えに行った。 九日ぶりである。知人家族には手間をかけさせてしまったが、送ってもらった写真の様子から、ずいぶん可愛がってくださっていたようだった。本...