現代造佛所私記 No.332「雲中奏楽団から春のお届け」
「雅楽のロビーコンサートをお願いできないでしょうか」 一年ほど前、香風舎様と、私たち雲中奏楽団(よしだ造佛所・雅楽部門)の演奏の様子が、テレビや新聞で報道された※。 それが一つのきっかけとなり、企画のなかに私たちの名前が...

「雅楽のロビーコンサートをお願いできないでしょうか」 一年ほど前、香風舎様と、私たち雲中奏楽団(よしだ造佛所・雅楽部門)の演奏の様子が、テレビや新聞で報道された※。 それが一つのきっかけとなり、企画のなかに私たちの名前が...
咲き初めた寒芍薬のむらさきの露に願ひて子の健やかさ 娘が高熱のため、本日は短歌としました。
約束の生チョコ作りの昼下がり思わぬ熱にうるむ目いとし
一際冷える夜、少し遅めの夕餉を終えたところだった。 鍋を平らげ、皆が頬をほんのり赤くしている。さて、片付けようかという時、吉田がふと動きを止めた。 「誰だろう。出てみようかな」そう言って、スマートフォンを手に取った。 知...
高知県老人クラブ連合会が運営する「生き活き大学」で、講師を務めさせていただいた。 「仏像と人の物語」と題し、仏像と私たちの出会い、工房にいらした方々の悲喜こもごもを、仏像製作のプロセスとともにお話しする、という内容である...
「高知の山奥より、ご盛会をお祈りしています」 ご縁をいただいている音楽家から演奏会のお知らせが届くと、行きたい気持ちを宥めつつ、いつもそのようにお伝えする。 けれど、ある場所については、不思議なほど近く感じられ、今からで...
工房でのとある法要を終え、お客様を車で十五分ほどのお寺へご案内した。 その山門には、一昨年修理を終えた仁王様がおわす。 共に歩く道すがら、小川には、つんと顔を出した小さな蕗のとう。境内には紅梅が咲いていた。 明日からまた...
今日は無風。心の中のことだ。 心の中が凪いでいるのか、放心しているのか、ただ疲れているのか、自分でもよくわからない。言葉が浮かばず、頭の中に、心に風が立たない。 この間、冬の土用入りで、わざわざ間日(まび)に花の植え替え...
肩の力が抜けた。 頭の中の取り留めない思考も、体に溜まった重さも、すうっと流れていった。 今日も、夫は弓道場へ、私は茶道の師のもとへと赴いた。それぞれ三時間ほどの稽古を終えて、車に揺られている。 事業を立ち上げて間もない...
仏師の夫は、一日の半分近くを造仏に費やす。土日であっても、仕事から完全に離れることはない。 そんな彼にも、手すさびの時間がある。 結婚前、会社員だった頃、休憩中に端材でスプーンやしゃもじ、ヘラなどを削っていた。それらは、...