現代造佛所私記 No.404「餃子の恩恵」

「あぁ、入れすぎちゃった」
「僕は餡は少なめにしてる」
「こんな形はどう?しずく!」

ひたすら餃子を包む夕べ。家族3人、餃子50個。

今期、ご近所からキャベツを大量にいただいた。毎食の蒸し野菜やお味噌汁に登場するキャベツ。今日は市の特産でもあるニラも加えて、餃子にすることにした。塩を一振り、水分を軽く切って、ひき肉、ニンニク、生姜、ニラと合わせる。味付けは塩をひとつまみ。

さて、皮に包むぞと腕まくりしたところで、夫と娘が参戦。思い思いに包んでいく。娘は飽きて早々に戦線離脱してしまったが。

娘が抜けた後は、夫婦ふたりで黙々と包む時間。

意外と楽しい、餃子包み。

並んで同じことをしている、手を動かす間合いも心地よい。ポツポツと、普段しないような会話の時間もできる。娘の将来のこと、仕事のこと。この時間が、餃子の恩恵だ。

これまでは鉄のフライパンを二つ並べて順番に焼いていたが、ホットプレートだと50個一気に、均等に焼ける。じゅうじゅうと焼ける音も楽しい。お皿に裏返しにもると、美しい焦げ色が顔を見せ、「うわぁ!」とつい声が漏れる。

蒸し野菜とお味噌汁、雑穀ご飯。ちゃぶ台いっぱいに並んだ食事。季節の野菜が豊かだ。高知の柑橘と香味醤油で熱々をいただく。

カリッ、サクッと口々から音が漏れる。

「これは、Yちゃんが包んだ餃子だね。美味しいね」 「また餃子しようね」

1日の疲れが、楽しく緩んでいく。