現代造佛所私記 No.336「冬のメダカたち」

夏に、何度かメダカのことを書いた。

No.134「干渉し合う生命」
No.146「祝・メダカの赤ちゃん」

昨夏、四匹のメダカを家族で迎えた。黒い「オロチ」と、銀色に緑が差して光る「緑光」という種類で、それぞれをペアで購入した。

地元のメダカ専門店で、丁寧に世話の方法を教わり、家に戻ってからも、折に触れて調べながらなんとか猛暑を乗り越えた。

オロチのペアは、結局卵を産むことはなかったが、二匹は仲良く長生きした。一方、緑光のペアは驚くほどよく卵を産み、気づけば一家は二十匹を超えていた。

暑い暑い夏を越え、晩秋になると、親世代が少しずつ寿命を迎えていった。子どもたちの中にも、いつの間にか忍び込んだヤゴの手にかかったものがいた。

現在、八匹でこの冬を迎えている。

南国高知にも大寒波が訪れ、睡蓮鉢の水が薄く凍る日が出てきた。日が暮れる前に、鉢の上に竹のざるを伏せ、毛布を全体を覆うようにふんわりとかけて重石を乗せる。そうすると、水が凍らずに保たれる。

陽の当たる昼間には、メダカたちがゆっくりと泳ぐ姿が見える。その様子に、なんとはなしにほっとし、心も和む。

メダカたちの家の並びに、プランターの花たちも並ぶ。花たちは、夜になると玄関に取り込んでいる。

メダカも、花も、冬をともに過ごす家族なのだと、毎夕の支度の中で実感する。

ささやかな、しかし心愉しい日課だ。

アイキャッチは、年末の雪の朝の風景(雪はほとんど見えないけれど)。