ただ紙をやぶるだけで、目を輝かせていた赤子の頃の娘。
古今東西、紙が破れる様子にゲラゲラ笑う赤ちゃんの動画はたくさんある。力をある一定方向に加えると、紙は音を立てて裂けていく。その驚きと手応えの妙に、人は心を奪われるのだろう。
人は、面白がる天才だと思う。
紙は娘にとって、とても身近な素材だ。本や図画工作、プリント、ノート。タブレット学習も当たり前になったが、紙に触れる機会はやはり多い。
1日を終え、後は寝るだけとなった22時ごろ。突如娘が工作を始めた。
出来上がってきたのは、肩たたき券の回数券。4枚が切り取り線で繋がっている。「みて、これ切ってみて」と目からワクワク感が溢れ出るような表情で、私にそのチケットの連なりを手渡してくれた。
ぽつ、ぽつ、ぽつ
少し大きめの穴を繋いでいる一点が一つずつ裂けていく。
「切り取り線、面白いでしょ?」
と娘。
彼女はおそらく、もっと幼い頃から「この点々で切るのって面白いな」と、どこかで感じ「これ、どうやって作るんだろう?」と、考えていたのではないだろうか。
成長し、道具を自由に操れるようになった今夜、ついにひらめいた。「あの切り取り線はこうやればつくれる!」と。
アニメを見ている最中に思いついたらしく、もう十時を過ぎていたのに紙と鋏を持ち出し、夢中でチケット作りに励んだ。ハサミの刃先をちょんちょんと紙に当て、ミシン目のような切り込みを連ねる。ちぎるときにパリリと裂ける、その感触を自分の手で生み出せることが、何より嬉しかったのだろう。
完成した「肩たたき券」は、切り取り線で切り取ると、娘が指紋を押したり、大好きなメジェドを描き添えたりして使用される。ただの紙切れが機能性に富んだ、家族に福を与えるものに変わった。

面白がって、興味を持って、思考し続ける。
その喜びに突き動かされる姿を通して、ヒトの可憐さを見たひとときだった。


