現代造佛所私記No.161 「檜扇一輪、1000日チャレンジ月例報告会」

正午を前に、草むらの片隅に、檜扇(ひおうぎ)が咲いていた。
橙に斑の入った花弁が、まだ暑さの芯の残る夏の光を受けて輪郭を際立たせ、茎は迷いなく伸びている。控えめながら孤高の佇まいを感じるその姿は、茶室に活けると不思議と優雅に見える。花言葉は「誠実」と「個性」。

月に一度の1000日チャレンジ報告会の後、私はこの花と、メンバーの顔を重ねていた。

オンラインの画面に四つの小窓。いつものように軽やかに始まった。

1ヶ月の振り返りは、3分で話す。それに対し、他のメンバーは1分でフィードバックするというルールだ。それぞれの視点からポジティブなフィードバックや提案、共感が寄せられる。その一つ一つが、互いの視界を広げ、新たな気づきをもたらしてくれる。限られた時間の中で交わされる言葉の応酬は、和やかながら研ぎ澄まされていた。

今回のミーティングでは、メンバー全員がPRプロデューサーという強みが前面に出た。

例えば、あるメンバーが秋に予定しているイベントについて、その先の未来まで見据えた具体的な行動計画がアイデアとして積み上げられた。

PR視点があるからこそ、社会への影響やインパクトを踏まえた提案ができ、熱意を持って実行可能な形に落とし込むことができるのだと、改めて舌を巻く。皆のアイデアを聞いていた本人も、身近な仲間内では生まれにくい視点や発展的なアイデアに触れ、PRの持つ力を改めて実感していた。

「この視点はなかった」「さすがプロだな」と思える瞬間がいくつもあり、その前向きで具体性を持つ言葉が、また新たな一歩を踏み出す推進力になっていく。

PRの本質は、信頼や誠実さ、そして人と人との温かなつながりを育む営みである。その視点を、これからも大切にしていきたいと思う。

私はこの報告会にも、彼女たちのPRのプロらしさの核心を見る。PR視点とは、出来事を“点”で終わらせず、物語(意味)と証拠(素材)と関係(宛先)と時間(節目)で“線”にし、“面”へ広げる態度である。報告会の空気も、やがて静かな熱を帯び、誰かの一言が、誰かの次の行動に変わる手応えを生み出していく。

1000日を継続する間の「波」の話も出た。八十日を過ぎても苦しいという声。百日を越えると少し軽くなるという経験則。眠気と闘って投稿した夜、早朝に書き上げる朝。互いのリズムが違うこと。自分との約束と、分かち合えるこの場があるから、折れずにいられるということを、実感する。

途中、先月今月と誕生日が二人いるとわかって、楽しげな背景に着替え、クラッカーのスタンプも登場した。笑いがこぼれ、緊張がほどける。場は温かくも、真剣なリズムは失われなかった。

檜扇一輪。

朝ひらき、夕にしぼむ短い命のリズムは、日々の挑戦の縮図である。今日の花は今日のために咲くが、明日の蕾はそばで静かに立ち上がっている。私たちも同じだ。今日の一手は、明日へつながっている。

檜扇の佇まいは教える。誠実と個性で、今日を咲かせること。PRの仕事は、その花をどこで誰に手渡し、どんな未来につなげていくかを設計することである。

私たちはいま、確かに未来に向かっている。ここで踏み出した点は、やがて線となり、面になるはずだ。

今日も一輪を差し出す。できるだけ、心を込めて。