現代造佛所私記 No.364「手紙を食べる森 (1)」
蝉時雨を四方から浴びながら、目の前でひらひらと舞う蝶の影を追う。間もなく、この縁側も南国の日差しに晒されるだろう。立ち上がると、拳と膝裏から、汗が流れ落ちた。 楠本大樹がその集落、いや元集落へ着いたのは、朝の八時だった。...

蝉時雨を四方から浴びながら、目の前でひらひらと舞う蝶の影を追う。間もなく、この縁側も南国の日差しに晒されるだろう。立ち上がると、拳と膝裏から、汗が流れ落ちた。 楠本大樹がその集落、いや元集落へ着いたのは、朝の八時だった。...