現代造佛所私記 No.297「年末のお像のお手入れについて(後編)」

さて、固着した汚れが見えても、水や洗剤は基本的に使用しない方が無難である。 また、虫害については、新しいお像であればまず心配ない。木の成分によって、自然な防虫効果がある。万が一、虫穴や虫糞を見つけた場合でも、市販の殺虫剤...

現代造佛所私記 No.296「年末のお像のお手入れについて(前編)」

年末の準備はいかがだろうか。 我が家では、無理のない範囲で、少しずつ掃除を進めている。 居間には、木地の仏像や神像が五軀おわす。年の瀬を前に、今日はそのお像たちの埃を払った。 埃を払う、というとあっさりしているが、筆を持...

現代造佛所私記 No.269「埃と泥〜文化財版アベンジャーズ」

「まもなく着陸態勢にはいります」 機内アナウンスに、はっと意識が浮上した。気流の影響で揺れが続いたフライトだったようで、機内サービスも省略されたという謝罪の声が流れている。 「もう着いたのか」 ゆっくり高度を下げる機体に...

現代造佛所私記 No.268「工事の音と三宝と」

ガタン、ガタン。ブーン。ドーン。 小高い丘の上の境内で、重機が絶えず首を振っている。 背後で「コン」と小さな音がして振り返ると、一尺ほどの板材が車のボディに泥をつけ、ぽとりと落ちた。足元のぬかるんだ地面には、似たような端...

現代造佛所私記 No.266「コインランドリーも他生の縁」

諸事情があって、夫は久しぶりに、私は生まれて初めて、コインランドリーというものへ足を踏み入れることになった。 夜のとばりが降りて、通りを歩く人の姿もまばらになった頃。洗濯物を詰めた大きな袋を三つ、二人で分け合い、灯りのと...