現代造佛所私記 No.312「運慶忌とうんケーキ」

娘の冬休みの作文に、運慶忌のことが書かれていた。 我が家でいう「運慶忌」とは、仏師・運慶の命日に、その遺徳を偲んで営む、ささやかなお茶会のことである。 「一月三日、うんケーキを作って食べました」 原稿用紙をのぞき込んだ私...

現代造佛所私記 No.307「文殊さまの功徳」

本日も、晴れ着で初詣に出かけた。 午後、竹林寺さま(高知市)にお詣りすると、本堂の前にはすでに長い列ができていた。老若男女、途切れることなく人が並び、ゆっくりと進んでいく。 読経の声、参拝者がつく鐘の音。正月らしい賑わい...

現代造佛所私記 No.306「元旦に看脚下」

新年の朝、吉田家揃って神棚に手を合わせる。 祝詞を奏上し、日本国の弥栄を、この世界の平和を今日ばかりは臆することなく祈る。 さて、正月飾りを改めて眺めてみると、しめ縄も、おせちも、干支のオブジェも、手作りのものばかりとな...

現代造佛所私記 No.305「大晦日」

工房の年越しは、いつものリズムに、氏神さまへのお詣りや、大掃除、おせちづくりなどが加わり、年の瀬らしい活気を帯びる。 ひとつひとつの支度が、年の終わりという節目を、静かに際立たせてくれる。 台所でおせちが完成する頃、夫と...

現代造佛所私記 No.303「吉田家の正月支度 2025」

師走の準備も大詰め。年越しの支度で、買い出しに出た。 あちこち店を梯子して、必要なものを買い揃えた帰り道、日が落ちていく空が、思いがけず美しかった。 太平洋に沈む師走の太陽。 急ぐでもなく、名残を惜しむでもない、何度も見...

現代造佛所私記 No.302「年の瀬のお餅つき」

お寺の檀家さんやお知り合いに混ぜていただき、当工房も年末恒例の餅つきに参加した。 一晩水に浸した二升のもち米ともろぶたを抱え、いざ出陣。 舞台となるお寺の庫裡前に到着すると、すでに蒸しあがったもち米の香りが、冬の空気に芳...

現代造佛所私記 No.297「年末のお像のお手入れについて(後編)」

さて、固着した汚れが見えても、水や洗剤は基本的に使用しない方が無難である。 また、虫害については、新しいお像であればまず心配ない。木の成分によって、自然な防虫効果がある。万が一、虫穴や虫糞を見つけた場合でも、市販の殺虫剤...

現代造佛所私記 No.296「年末のお像のお手入れについて(前編)」

年末の準備はいかがだろうか。 我が家では、無理のない範囲で、少しずつ掃除を進めている。 居間には、木地の仏像や神像が五軀おわす。年の瀬を前に、今日はそのお像たちの埃を払った。 埃を払う、というとあっさりしているが、筆を持...