弊所工房や仏師をモチーフに撮影してくださっている北村健三氏の作品が、高知県展入選および第56回光展 高橋正舟賞を受賞されました。誠におめでとうございます!
吉田が造仏にあたる様子を、ファインダーを通してドラマチックに切り取ってくださいました。工房の中の人間にとっては見慣れた光景なのですが、こうして写真作品として見ると全く違う世界として見えます。


場面としては今まさに仏像が生まれようとしているところ、昔も今もあまり変わらない造像風景に色を抑えた表現が相まってか、古今造像に関わる人の息吹が写真の向こうに感じられます。仏師1人の孤独な作業ながら、「さまざまな人の祈りが仏師の手に宿ってこそお像は生まれる」、「祈りは時代を越えて人に伝わる」という温かなメッセージがしみじみと伝わってきました。
撮影当時制作途中だった文殊菩薩像はまもなく完成し、現在開眼を待っておられるところです。施主様の願い、祈りが遠い未来まで届きますように。
>> 文殊菩薩坐像の制作過程はこちらでもご紹介しています(Behance弊所アカウント) <<
※ 写真はいずれも掲載許可をいただいております。