2017年春から小田原市在住の方からお預かりしていた、不動明王坐像と二童子像。5年の修理期間を無事に終えました。
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2016年東京でよしだ造佛所を立ち上げて間もない頃にご相談いただき、翌年2017年に共に高知へ移住した不動三尊です。私たちにとっては、一番最初の大きな修理プロジェクトでしたので、無事に修理を終えられたことは本当に感慨深く、一つの区切りとして胸に迫るものがあります。
一見、修理前後であまり変わってないように見えますが、よく見ると欠けたところや脆くなったところが補われているんですよ。その一部をご紹介します。
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お預かりすることが決まった当初、施主様から「私にはお不動様を託す次代の家族がおりませんが、是非後世に残したく、そのためにはこれ以上の傷みをまず止めなければならないと存じます。ご修復を頂いた後、社会の皆様に代々お守りして頂くのがお不動様の望まれるところかと存じます。」とお言葉を頂戴しました。御修理と同時に、これからのご安置先を探すお役目をいただいたのです。
総高220cmを越える大きな御像、しかも三尊でしたので、ご安置先と言ってもお引き受けいただけるお寺さんはすぐには見つからないだろうと思いましたし、当時は地方移住を考えておりましたので「さてどうしたものか」と考えあぐねていました。
移住の候補地の一つが高知県でした。
移住先の情報を集める中で、定福寺(高知県大豊町)の釣井住職が妻の高校の先輩であることがわかり、さらには定福寺は私の先輩仏師のご生家であることもわかりました。親しくお話しするようになって、このようなお像がありご安置いただける場所を探しているとご相談したところ、ご住職が一瞬息をのまれました。
「老朽化した檀信徒会館を、祈ったり瞑想したり、学んだりする講堂として再建できたらと思っているんですが、そこに仏様がいらっしゃらないんです。」
驚くような御仏の采配でした。
施主様もたいへんにお喜びになって、不動三尊は修理完了後に定福寺に寄進されることになりました。お不動様が高知を安住の地としたいと思われたのだと思います。
長い年月をかけて旅をしながら定福寺に辿り着かれたお不動様、二童子様は、末長く檀信徒の皆様や地域に住まう皆様をお守りくださると存じます。
これからも皆様に厚く信仰され、守られ、共にある未来をお祈りしております。
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< 不動三尊 出開帳のお知らせ >
4/28(木)〜5月9日 9:00~16:00
於:定福寺旭観音堂(高知市玉水町62-1)
詳しくは告知画像をご覧ください。
お近くの方は是非お参り下さいませ。
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※駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。(土佐電鉄 旭町一丁目下車、南に徒歩3分鏡川沿い/旭マルナカより徒歩3〜5分)
出開帳には私たちも伺います。その様子はまた別途ご報告いたしますね。