「中世石仏が語る拓本展」レポート

いの町紙の博物館にて開催中の「中世石仏が語る拓本展」に行ってまいりました。

高知中の石仏の拓本を取られてきた有志4名で構成される「石の仏を見る会」の精華です。調査メンバー4人が揃って在廊され、拓本に用いる紙や拓本のとり方なども体験談を交えて丁寧にご解説くださいました。

拓本はエリアごとに展示され、それぞれに意匠の特徴が見てとれました。そのおびただしい数からも中世の信仰のあり方が窺え、感動をおぼえます(今回の展示は100点とそれだけでもすごいのですが、「石の仏を見る会」では2年間で1800基以上もの石仏を調査されたとのこと。南国史談第44号 p.39より)。

「仏像」ときいてイメージする図像や木彫像等に比べてかなり像容が抽象的で、「かわいい……」と口をついて出たものの、すぐにそのような言葉が不遜に思えて口を閉じました。以降、ただただ心打たれるばかりで何も言えなくなってしまいました。

石仏の分布データは4冊もの分厚い冊子にまとめられ、会場で自由に閲覧できます。販売はされていないそうなので、今回の展覧会が拝見する唯一のチャンスでしょうか。

会期は2022年1月13日(木)〜2月9日(水)。
間も無く終了ですので、興味がおありの方はお急ぎください!

拓本に用いられた和紙は「大唐紙」といいます。

「石の仏を見る会」の濱田眞尚さん、唐岩淳子さんは、私たちが高知に移住してから地域の仏像修理でお寺や御堂に伺う際には同席いただくことが多く、心強い存在です。あまりに私たちが感動していたためか、拓本採取にお誘いいただきました。是非ぜひ、ご一緒させていただきたいと思います!