現代造佛所私記 No.582「仏師という言葉をいつ知った?(後編)」

この物語は、「紅天女」という幻の舞台の再演を目指して進んでいく。この物語は、室町時代を舞台にした、仏師と梅の木の精の悲恋。

小学五年生の頃だっただろうか。そのお話を読んで、壮大な物語だなぁ、愛した人が、自分が刻むことになる木の精霊だなんて悲しいなぁと感じていた。

まさか、自分が仏師と結婚して、一緒に工房を経営することになるとは思わなかったけれども、「仏師」という職業との出会いは、ガラスの仮面だった。

もちろん、その後「火の鳥」を読んだり、社会科の授業で運慶快慶を知ったり、仏師という職業があることをはっきり認識していった。

夫に会うまで、実際に会うことはなかったけれども。

夫の名刺を手にして、「ぶつし、ですか」と読まれる方が割といらっしゃる。ぶっしと読むんです、とその度にお話ししているが、医師や教師などと比べれば、やはりマイナーな仕事である。

一方で、ベストセラー、ロングセラーの漫画作品に登場するのに、知られていないことを少しもどかしく思う気持ちもある。

だから、「ガラスの仮面に出てきましたね」なんて言われると、仲間です!と言って手を取りたくなるような気持ちになってしまうのだ。

仏師が登場する、漫画や小説、映像で、あなたはどんな作品が印象に残っているだろうか。