「555」という数字を見て、真っ先に思い出すのが、高校三年生のときに過ごした寮の部屋である。
私の母校は山の上にあって、バスで通学するほか、麓まで自転車でやってきて、そこから歩いて登るという猛者も多かった。さぞ体力がついただろうと思う。
私のような郡部出身や県外から入学した生徒は、朝食を八時ごろに食べても間に合うくらいの距離にある寮に入った。
高校生は皆個室で、空調、洗面台、ベッド、クローゼット、勉強机が備えられていた。夜には学校から先生方が来てくださり、学校の授業とは別に学習時間も設けられていた。
進学校で宿題も予習も毎日そこそこの量があったし、弓道の鍛錬に明け暮れていたので、結構分刻みの生活だった。19:20の点呼までに夕食とお風呂を済まさねばならぬのに、19:00過ぎに帰宅することもしょっちゅうだった。
今ではとてもできない生活スタイルだけど、あの頃はとにかく楽しかった。
中等部から高等部までの寮生たちと過ごした賑やかな日々は、これまでの人生を振り返っても、かけがえのない、輝いていた時間である。
その高校最後の寮の部屋が、「555」だった。
縁起が良いのか悪いのか、よくわからないけれど、「5」は好きな数字だし、覚えやすくて気に入っていた。
その「555」の隣の部屋だったLちゃんは、同級の寮生の中でも一番実家が近く、今でも時々、子連れで会う。
びっくりするほど頭が良くて、運動もできて、底抜けに優しい人だ。そして、それは今でも変わらない。
高校時代、Lちゃんが使いこなす美しい日本語に、私はそのたびたび感動した。
「そんなかっこいい日本語があるの!?」
ひそかに心の中の語彙ノートに書き加えたものだった。(続く)

