「湯川秀樹は知ってた!」
先日の北川進先生のご講演で、10歳の娘が理解できたことは、もちろん部分的である。
けれど、湯川秀樹博士の名前には、大きく反応していた。
娘の小学校には、日本で最初に建立された湯川秀樹博士の胸像があり、当時博士ご夫妻が除幕式にご来高されたほか、記念事業が今でも欠かさず続けられている。身近なところに、その名前があったのだ。
北川先生のお話の中で、湯川秀樹博士が読み解いた「天才論」として紹介されたのが、「無用さ(Redundancy)こそが独創性を育む」という考え方だった。
そして、私が講演中、メモを取る手が止まらなかったものの一つが、「科学的ブレイクスルーを導く三つの概念」である。
- 集合(Assembly)
- 空間(Space)
- 動性(Dynamicity)
「無用さ(Redundancy)」は、その二つ目、「空間(Space)」のところで語られた。
既成の枠の中で器用に振る舞うだけでは、独創的なものは生まれない。
一見すると無用に見える余剰、つまりRedundancyを持たないものには、既存の枠を超える想像力は生まれない。
そんなお話だった。
無用の用。
役に立たないと思われているものの中には、思いがけない可能性が眠っている。
何もない空間には、まだ形になっていないものが、いくらでも入り込める。
北川先生は、言葉を変えながら、そんな「空間」の持つ無限の可能性について語られていた。
科学的なブレイクスルーに限らず、きっといろいろな場面に当てはまると思う。(続く)


