現代造佛所私記 No.542「文化祭前夜のような」

あと2日ほどで子どもの夏休みが終わる。

とにかくマイペースな性格で、宿題が終わっていないのに、朝から晩まで好きなことを優先している。

2日前ともなると、さすがに少しは考えるらしいのだが、親に手を借りながら一言。

「ちびまる子ちゃん家よりマシだね!」

さくらももこさんの代表作を、娘はコミックスで楽しんでいる。一人がけのソファーを陣取り、ゲラゲラとお腹を抱えて笑っている。

どうやら、まるちゃんの家では、夏休みの最終日、日付が変わるまで家族総出でまるちゃんの宿題を手伝ったらしい。そういえば、その回を子どもの頃に読んだことがある気がする。

今日は、自由研究を模造紙にまとめるという最難関が待ち構えていた。昼頃から下書きを始め、弱音を吐きながら、ときには模造紙の上にゴロンと横たわり、時には鼻歌を歌いながらも手は止めず、計6枚を20時ごろになんとか下書きを終えた。

ポスカを取り出し、今度は帰宅した夫と、家事を片付けた私が加勢する。

「ありがとう、ありがとう」

娘も折に触れそんなことを言いながら、ひたすら模造紙に書き込んでいく。

テレビを消して3人でポスカをとり、ひたすら消しゴムをかけていると、まるで文化祭前夜のよう。家族揃って制作物を仕上げるという非日常感に、娘は目を爛々と輝かせ、次第に興奮してきた。

自由研究は今年で終わり!完結!と言っていた口が、こう言った。

「来年は、氷の研究をしようかな」

また来年考えよっか、と言いながら、娘の濡れた髪にドライヤーを当てた。