3年前に、大日如来三尊をお納めした施主様から、前触れなくお便りを受け取った。
掲載許可を頂いたので、こちらでもご紹介したい。
長年、心身共に不調が続き、病院にかかりつつも苦しい毎日を送っていましたが、日々仏様に向かい手を合わせ、般若心経を唱え続けるうち、少しずつ健康的な毎日をおくれるようになりました。
仏様のやさしいお顔を見るにつけ、私達を暖かく見守っていてくださるようで心が落ち着きます。
二人の子供達も、結婚し、子供にも恵まれ、今年はそろって新築の家を構える等、幸せな日々をおくっています。
これからもお体に気をつけられ、素晴らしい仏像作りをなさってください。
丁寧な肉筆を、繰り返し読み返した。
お納めしてからも、何度かやりとりをさせていただいていたけれど、こうして改めて近況を伺うと、本当によかった、と胸の奥から喜びが湧いてくる。
大乗造像功徳経というお経がある。
仏像を造ることによって、来世にわたって大きな福徳がもたらされることが、繰り返し説かれている。
私たちは、このお経をおりに触れ、写経している。
仏像を造るということが、仏教の中でどのように受け止められてきたのか。そのことを、造像に携わる者として、心のどこかに常に置いておきたいと思うからである。
生きているかぎり、四苦八苦から逃れることはできないし、仏像を作ったからといって、病や老いや死から遠ざかれるわけでもない。
だけど、仏様に手を合わせる時間が生まれたことで、苦しいときの心持ちが少し変わったり、物事の受け止め方が柔らかくなったりすることは実際にある。
それは、私自身も常々感じることだ。
だからこそ、今回のお便りをいただいて、施主様が日々仏様に向かい、般若心経を唱えておられること、その傍らに三尊のお姿があることを思うと、なんとありがたいご縁をいただいたのだろうと思う。
仏様とのご縁から、ご家族へ、さらに次の世代へと、幸せな時間が紡がれている。そのことをお知らせいただけるのは、造像に携わる者として、やはり嬉しいことである。
いただいたお便りを、大切にしまっておこうと思う。
子々孫々のご健康とお幸せを、心よりお祈り申し上げます。

