雲中奏楽団として、香南市ふれあいセンターのロビーコンサートに出演したのは、桜の開花宣言があった頃のことである。
小さなコンサートだったけれど、出演者にとっても、聴いてくださった方にとっても、主催者にとっても、思い出に残る楽しいひとときとなった。
地元ケーブルテレビやNHK、新聞社の方々が取材してくださったこともあり、会場に来られなかった方からも、思いがけず反響をいただいた。
そして、そのときの報道をご覧になった高知城歴史博物館の方から、親子向けの雅楽イベントを、とお声をかけていただいた。お子様連れで出演したインタビューもご覧くださっていたそうだ。
演奏がもっと上手で、経験も豊かな団体はほかにもある。そのなかで、私たちに声をかけてくださったからには、子どもたちにとって楽しく、あとから思い出してもらえるような会にしたい。
そう思いながら、頭を柔らかくして、あれこれと企画を練っている。
高知城歴史博物館には、これまでも仏像に関することはもちろん、子ども向けのクラフトイベントを楽しませていただいたり、古文書の読み方や資料の取り扱いについてご指導いただいたりと、さまざまな場面でお世話になってきた。
そんなご縁の上に、今度は音楽で新しいご縁ができたことが、素直に嬉しい。
そして、そのご縁をつないでくれたのが、これまで続けてきたPRであることも、ありがたく思う。
誰かに知ってもらう——そこから、思いがけないところで声をかけていただく。そんな時、「あぁ、PRをしてきてよかったな」としみじみ思うのである。
雲中奏楽団は、まだまだ小さな楽団だ。
イベントで最低限欲しい編成のため、以前から雅楽研修や祭典奏楽でご一緒してきた方々にお声をかけ、今回めでたく三管がそろうことになった。
せっかく博物館のホールで出演させていただくのだから、会期中の展示ともつながる内容にできないかと、企画書をまとめながら、あれこれ考えているところである。
客演のお二人も、新しい試みに心を開いてくださっていて、なんとも頼もしい。
工房の業務も秋に向けて立て込んでくる中、博物館との打ち合わせ、楽曲の許諾、衣装の手配など、準備することはまだいくつもある。
でも、心は軽やかで明るい。春に小さなロビーで始まったご縁が、季節を越えて、秋の博物館へと続いていく。
季節の移ろいを味わいながら、その日のための準備を一つひとつ重ねていく時間も、また楽しい。
秋の雲中奏楽団。
今度は、どんな音の景色が見えるだろう。
日時などの詳細は、城博ニュースをご覧ください!

