現代造佛所私記 No.513「国境を越えたよさこい(2)」

いざよさこい節が流れ始めると、どのチームもリズミカルに鳴子を鳴らし、軽快に群舞を繰り広げた。

「これは接戦になりそうだ」

そう思った私は、メンバーに二つだけ声を掛けた。

「笑顔で踊ろう!」

「『ヨイヤサノサノサノ』は、みんなで声を出そう!」

皆すぐに笑顔でうなずき、親指を立てて応えてくれた。

そして演技前には、鳴子を鳴らしながらチーム全員で掛け声を合わせる。

Saya akan juara!

「優勝するぞ!」という意味だと教えていただいた。掛け声を合わせるだけで、一体感が一気に高まった。

結果は、三人の審査員のうち二人が私たちの団扇を上げてくださり、見事優勝。首にメダルを掛けてもらうと、皆が満面の笑みで写真を撮り合った。

後で審査員のお一人が、こう話してくださった。

「みんな一生懸命でよかったんやけんど、声が出ちょったのと、笑顔がよかった!」

その言葉を聞いて、思わず心の中でガッツポーズをした。

別れの時。

インドネシアの参加者の皆さんが、車の窓からいつまでも手を振ってくださった。

「Yちゃん、ありがとう! またね!」

その声に、娘も大きく手を振り返しながら、駆け足で

「ありがとう! またね〜!」

と応えていた。

家に帰っても興奮は冷めなかったようで、娘はその日の出来事を夏休みの宿題の日記に書き始めた。

気がつけば12ページ。

どの場面も楽しく、どれも削ることができなかったのだろう。

言葉も、生まれ育った国も違うけれど、一緒に笑い、声を出し、同じ踊りを踊れば、心も一つになっていた。

灼熱の夏の日に交わした「Saya akan juara!」の掛け声が、今も耳の奥でこだましている。