現代造佛所私記 No.501「母のような隣人へ」

あなたが急に家を空けなければならなかった事情を、先日聞きました。

何よりお身体を大切に、早く愛するお家にお戻りになられる日を私も心待ちにしています。

いつも大切にされていたお庭は、今も変わらず私たち家族の心を和ませ、鳥や虫たちも憩っています。

突然、この場を借りて話しかけることを、どうかお許しください。ここ以外にお伝えする手段が今はなく、また以前あなたが読んでくださっていたことを思い出し、一縷の望みをかけてしたためています。

あの小さなポット2つ、きっと翌朝に植えられるご予定だったのでしょう。栄養のあるふかふかの土も、園芸用のお道具も整えておられました。

新たな季節のお支度をされていたのですね。

あれから梅雨が明けました。

強い日差しが続き、遠目にもわかるほど、苗の花たちが日に日に元気を失っていくのが見えました。

今朝、思い切ってお庭へ入らせていただきました。勝手なこととは承知しながらも、どうしてもそのままにはできなかったのです。

一言、玄関にお声をかけてから、苗を抱えて帰りました。

花たちは元気です。どうか安心していてください。

お帰りを待ちながら、しばらくお預かりしていますね。

近い将来、この花たちを抱えて、「おかえりなさい」とお返しできる日が来ることを願っています。

その日まで、どうかご無理をなさらず、お身体を大切になさってください。