朝、皆が支度をしている時に、ふと私のパソコンの画面に気づいた娘が「500?500?」とソワソワし始めた。
「あぁ!そうそう、今日でコラムが500日目だよ」
「おぉ!500日か。折り返しだね」
「おめでとう」
思いがけないタイミングでお祝いムードに包まれ、恐縮した。
1000日書き続けると決めてから、長かったような、あっという間だったような500日目を迎えた朝。
力んで書いていた最初の頃から比べて、今は歯磨きのように、入浴のように、生活の一部になっている。
入浴500日目を覚えていないように、歯磨き1000日目に感慨がないように、このコラムも500日目の区切り以外に意味もなく、穏やかなものだ。
ただ、ありがたく思うのは、500日間描き続けられた環境、心身を保てたこと。
父が、長いこと私に言い聞かせてきた言葉がある。
Reading makes a full man, conference a ready man, and writing an exact man.
——Francis Bacon読むことは人を豊かにし、話すことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする
——フランシス・ベーコン
「書くことは、人を確かにするってね」
小学生だった私には、その意味がよく分からなかった。だけど、振り返れば、この言葉は私の人生に寄り添い続けてくれたように思う。
500日書いたことは、人生の輪郭を少しずつ確かにしてくれた。そして、書かなかったこともまた、言葉という器を持たずに心の底で静かに沈殿し、発酵している。
穏やかな折り返し地点をゆく。


