現代造佛所私記 No.493「小さな仏像、大きなインパクト」

「部屋に祀ってみたら、雰囲気がガラッと変わって驚いた」

小さなお仏像をお納めした方から、後日そのようなお声を頂戴した。

総高15cmほどの小さなお像である。それだけで部屋全体の空気が変わったように感じられたという。

年齢を重ね、人生を振り返る頃になると、御仏に心を寄せたくなる人は少なくない。しかし、どこへ相談すればよいのか分からない。そんな率直なお話もお聞きした。

PRを重ねるなかで、仏師という仕事を知ってくださる方は少しずつ増えてきた。それでも、お仏像を迎えたいと思っても、その入口が見つからない方がまだ多くおられることを実感している。

私自身も、居間や仕事部屋におわす小さなお仏像に、日々支えられている。大きさや技法、尊格などの違いを超えて、お仏像がそこにおわすということ自体に、大きな意味があるのだと感じる。

お寺にお納めするお仏像と、個人や団体の方へお納めするお仏像では、手続きや仕様が異なることもある。けれど、私たちの向き合う心に違いはない。

私たち自身が、お仏像に人生を救われ、幾度も道を照らしていただいた。その体験があるからこそ、必要としてくださる方へ、そのご縁をつないでいきたいといつも願っている。

八年ほど前、まだ二歳だった娘が、観音様の前を通り過ぎようとして、ふと立ち止まったことが思い出された。娘はお像に向き直り、小さな手を合わせ、ぺこりと頭を下げた。

お寺へ一緒に出かけることも多かったので、大人の姿を見て覚えたのかもしれない。

それでも、あの小さな合掌手を思い返すたび、お仏像は、そこにおわすだけで人の心に働きかけるものなのだと思わずにはいられない。

十五センチほどの小さなお像が、一つの部屋の空気を変え、人の心に静かな変化をもたらす。

その不思議を、雨の午後に味わっている。