製作・修理に関わらず、工房におわす仏像たちはよく撮影されている。
今日も等身大の仏様を前に、つい息をつめてしまうような時間を過ごした。
修理後の仏様の撮影を終えた後、振り返り、考えあぐねていた。
完成した時だけではなく、施工途中も細かく撮影する。修理案件であれば、修理前から。四方向、時には八方向から、頭頂・像底まで、何ショットも残していく。
これは、一般的な作品集とは異なる、資料撮影の話である。
昨日書いた、あの年末の決断から、もう六年になる。
撮影環境は、グッと良くなった。安価だけど照明も購入し、背景も暗色と白、黒を取り揃えた。仏像の状態によって使い分けている。
しかし、悲しいかな。私の腕が、追いつかない。
専門工房として公にするのはいかがなものかと思うけれど、正直いって、取扱説明書を見てもよくわからない。
仏像に三脚で正対し、水平をとり、ズームしてピントを最大限合わせる。それでも、どうもばっちり撮れないのだ。
どこかピンボケがあったり、暗かったり。明るすぎるのも、資料としては良いとは言えない。
地元の博物館の学芸員講座で、撮影方法の概要を教えていただいたこともある。それでも、何年経っても、何躯撮影しても、「これでよし」と思えたことがない。
モニターを覗き込む。仏様の表情が、わずかにぼやけている。焦点を合わせ直す。すると、今度は台座がぼやける。
なんとか程々のところを見つけて、シャッターを切り、切り直す。このカメラの力をどうすれば引き出せるのだろう。
合掌の手を、シャッターを押す手に変えて。

