最近家の周りでよく見かける鳥。お腹が黄色くて、至近距離までやってくる人なつこさに、興味を持った。
きっと毎年やってきたのだろうが、気づかなかった。今年はなぜか毎日何度も目に入ってきて、また鳴き声も家のそばでよく聞こえるため、初めてその存在を認識した。
「セキレイによく似ている、人懐っこい鳥」
それが第一印象だった。
朝食の支度、食後の洗い物をする窓辺は、小川に面している。最近は窓を開けて用事をしているので、外が自然と目に入る。
そこへ、「ねぇねぇ」とでも言っているように、その鳥がやってきては川縁の椿の枝に止まって鳴いたり、何度も何度も目の前を往復するのだ。時には、軒下までやってきて、「チチチ、チチチ」と鳴いている。
見かけるというより、視界に飛び込んでくるのだ。
インターネットで検索すると、「キセキレイ」という鳥によく似ている。黄色いセキレイか、と納得したのだが、確信は持てない。
そのまま、「キセキレイらしき小鳥」の姿と鳴き声を楽しむ6月を送っていた。
そんなある日、ふと本棚の中に、「日本の野鳥」という図鑑を見つけた。もう30年近くも前の本だが、夫が大事においている本の一つだ。以前会社勤めをしていたとき、鳥頭人身で六臂のお像を彫ることになり、参考書として求めたものだそうだ。
なんと、セキレイ科にも色々種類があり、そのうちお腹の黄色いセキレイは5種類ほどもいた。
キガラシセキレイ、キマユツメナガセキレイ、キタツメナガセキレイ、マミジロツメナガセキレイ、そしてキセキレイ。
みんなお腹が黄色くて、ぱっと見よく似ている。
セキレイ科のページの下の方に、小さな小さな明朝体で、見分け方がしっかり書いてあった。足の色、爪の長さ、模様、尾の長さ…。これは、はっきりしてきたぞと、ページをめくる手がうっすら痺れる。
そして、実際にスマートフォンで撮影した動画のその鳥と、本の鳥を見比べながら確信を得た。
これは、キセキレイだ。
他の黄色いセキレイは、皆喉が黒くない。家の周りにいる彼らは、喉が黒い。
あぁ、やはりキセキレイだったか。はっきり名がわかると、ますます親しみが湧く。
6年も暮らしていたのに、今更だけど、よき隣人としていたい。

