現代造佛所私記 No.462「ドクダミ」

最近、パソコン仕事に疲れると、すぐに表に出る。

一歩外に出れば、小川が流れていて、今の時期は木々が雨に濡れている。

Sitting is killing you.

そんな言葉が私の背中を押している。長時間のデスクワークが健康を損なうことが知られているけど、1000日コラムを書くようになってからそれをつくづく実感した。

それで、時々こうして席を立つ。

ちょうどホワイトリカーが残っていたので、今が盛りのドクダミの花をつけてみようと思い立った。

家の前にこんもりとドクダミが繁る一角がある。

白く清潔感のある四片のガクに、穂形の花。

霧雨をはじいて、深緑の葉を鮮やかにしている。

プチ、プチ、と摘むたび、ドクダミの香りがふわっと香る。

カゴにこんもりと山ができたところで、手を止めた。

帰宅して、煮沸消毒した瓶に摘んできた花を全部入れて、ホワイトリカーを注ぐ。

見た目にも爽やかな、ドクダミの花が、液体の中でかすかに揺れる。その様も季節の趣。

指先のドクダミの残り香が、幼い頃母が煎じてくれた薬草茶を思い出させた。

「ああ、この匂い!どくだみだ」

小休止にやってきた夫が、個性的な香りに背を逸らす。

続けて、ドクダミって名前で損してるきがする、というので調べてみると、「蕺」と書くらしいことがわかった。

「毒を矯(た)める」ことが語源という説もあるらしい。

身近な植物の一つ、ドクダミ。瓶の中で抽出が進んだら、スキンケアに使ってみようかな。

パソコンにパスワードを入力しながら、そんなことを想像していた。