現代造佛所私記 No.457「スイカズラの花の香 (3)」

台風前にと慌てて摘んだ、スイカズラの花。

竹籠いっぱいにつんで、水を張ったボウルに入れて、軽くふり洗いしたあと、キッチンペーパーで優しく押さえて水気を切った。

氷砂糖を湯で溶かし、その中へ花を入れる。数分後には、すでに花の香りが蜜に移っていた。味を見ながら、6時間ほど置いて濾してみると、琥珀色のシロップが出来上がった。

グラスに30mlほど入れて、レモン汁を好みで加え、よく冷えた炭酸水を注ぐ。これはおいしい。

「あ、おいしいね」

夫も、ごくごく飲み干した。

花の香りに、すっきりした程よい甘味が疲れを洗ってくれる。

濾した花も甘くておいしい。これはパンケーキやクッキーなどに使えそう。冷凍保存することにした。

そして、水気を切ったキッチンペーパーから、良い香りの水がとれた。こちらは、小さなスプレーボトルに入れて、エアフレッシュナーにしてみた。

寝室に、シュッシュッと噴霧すると、花の香りがパッと広がった。

「うーん?よくわからないや」

と夫と娘がいうくらい、ささやかだけど、私にはしっかり花の香りが感じられた。幸せな気持ちで布団に入る。目が覚めた時にも使ってみようと、枕元に置いて眠りについた。

楽しみにしていた朝なのに、ドタバタですっかり噴霧を忘れてしまったが、シロップは朝定番のフルーツサラダに少し垂らしてみた。

ほんのり香る、野花の恩恵。

摘んできた茎についた蕾も、元気に開花している。根が出たら玄関先に植えたいと思う。