現代造佛所私記 No.427「カリンバの音」

「楽しいぃ〜!」

娘が、カリンバを奏でている。

スマホやゲーム機で遊ぶときと、ほとんど同じ格好なのが可笑しい。いつもは「もうちょっと目を離してね」と声をかけるのに、今日は二人で笑った。カリンバだから、いいよね、と。

高知にUターンして初めて参加した「オーガニックマーケット」で、カリンバ作りのワークショップに参加した。何時間経ったのか分からない。夢中で作って、完成したらすぐに鳴らして、帰る車の中でも弾き続けた。

カリンバという楽器は知っていたけれど、奏でたことはなかった。アフリカの楽器だということも、今日初めて知った。高知を拠点に製作・演奏をされているhotoriさんに教わり、大人も子供も一緒になって、木製のカリンバを二つ、仕上げた。

細い竹のキーを弾くと、柔らかい音がする。ちゃんと音階が宿っていて、ちょうちょも、きらきら星も、弾けた時は、パァッと胸に光がさす。

初めて自転車に乗れた時。初めてクロールで泳げた時。そんな、子どの頃に味わった「できた!」の世界が広がった。

聞き馴染んだ曲が、とても愛らしく聞こえる。指使いも初めての運び。新しい遊びを見つけたような気持ちで、遅い昼食のレストランでも、帰宅してからも、三人で2つのカリンバを譲り合いながら延々奏でた。

娘は、お風呂にまで持っていった。

「聞こえるー? いま弾いてみたんだけどー!」

浴室から大きな声。娘のカリンバの音は聞こえなかったけれど、代わりに、居間から夫のカリンバの音色が聞こえてきた。