今日も、朝から深夜まで宣伝美術にまつわる修正作業をしていた。
チラシの文字の間隔を一文字ずつ整え、余白をわずかに削る。たったそれだけのことなのに、全体の呼吸が変わる。だから、呼吸がうまく通らないときは、どこかに原因があるのだ。そんな情報整理をしていくと、こちらの心も少しずつ静まっていく。
不思議なのは、いつまでも修正箇所がなくならないということだ。むしろだんだん増えていくのはなぜだろう。
根を詰めすぎると考えも硬直しやすいので、時々手を止めて、猫の背を撫でる。あたたかい毛並みが指にやわらかく返ってきて、途端に現実の時間へ引き戻される。
ご飯をつくり、洗濯をして、また画面の前に戻る。
ふと気づけば、家族皆が寝静まっている。
そんな毎日だ。
鹿の高くてするどい鳴き声が、静かな山奥に響き渡る。風が玄関の扉にあたる。秋らしい気配に満ちていることを感じる。
この秋風が木や土、葉っぱをカラカラと乾かしていくのだな。こんな時期は、手を酷使する夫が心配だ。 秋冬は深いひび割れができやすく、絆創膏が欠かせない。ワセリンで保護するが、仕事中は塗れないものだから、ケアが追いつかない。
取り留めもないことを、1日の最後にこうして文字にしておく。半分眠っているような状態で、時々ビックリするような謎の文字列を延々書いていることもある。
もしそんな呪文のような箇所を見つけられたら、多忙ゆえのことと、どうかご容赦いただきたい。
この1000日コラムがあるから、私は季節を手放さずにいられる。

